2008年7月21日月曜日

ドイツ立ち飲み事情考察4

私の住んでいるNord-Rhein Westfalen州では、七月よりドイツ全土に先立って「居酒屋・レストランにおいて、全面禁煙とする。しかし完全に分煙可能な部屋ないし換気装置を用意できる90平方メートル以上の規模の店については例外的に禁煙を認める。その他中小、および分煙不可能か換気装置の十分でない居酒屋では、原則的に禁煙とする」というような旨の条例が施行されています。

ドイツの立ち飲みは基本的にオオバコの店の一角という場合が多いのでいいのだが、それでもこれはタイムリーかつ注目すべきトピックである。では、この条例によってNRW州すべての中小の居酒屋が禁煙になるかと言えば、それは違うのである。

なんと、来店する客にその是非を問うたのである。すなわち、「この店では喫煙にしたい」と経営者が考える場合、Raucherclubという組織に加入し、その旨を店頭に張り紙する。そして来たお客に「この店は他のお客様(もしくはあなた)が喫煙できる店ですがいいですか?」というようなことの記載された、ある種の宣誓書(Raucherclubに加入するのかしないのか)にサインをさせる。このサインを拒否すれば、入店を拒否することになる。つまり、禁煙者を守るように見えながら、実は喫煙者を擁護しているのである。とはいえ、大概のお客はサインをしているが。面倒なのは、これをその都度、居酒屋ごとに行わねばならないことだ。

もちろん、このRaucherclub自体に加入していない店もあり、そこは大抵がタバコを吸わない経営者である場合(女性マスターの場合など)が多い。しかし現状として、ほぼすべての居酒屋の店頭にはRaucherclubの張り紙があり、いったい何のための法令なのかわからない。

また問題点として、こうしたルールは地元の小さなバーなどでは大概無視されることが多く、禁煙を選択した居酒屋はこうした「掟破りの」バーに、そこではタバコが吸えるから、という理由でお客を奪われるのではないかとの懸念がある。行政側による抜き打ちのテストも基本的にないようだ。注目していたニュースだけに、なおさら残念な気持ちが募る。

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