2008年7月28日月曜日

202 Düsseldorf Dreiecke - Himmel & ÄHD

めっきり飲むペースが減っている。最近は週に一回、土曜の深夜に「集会」があって、そこで飲むのだが、大抵が同じ店だし立ち飲みですらない。これでは研究は進まない。そんな妙な閉塞感と義務感に背中を押され、月曜朝の買い物帰り、コインランドリーの待ち時間の間に立ち飲みに入ってみた。

店名のHimmel & ÄHDというのはこの辺りのちょっと古い言葉で「天と地」を意味する。ケルンには同名のつまみがあるし、店名として掲げているところも少なくない。きっと地元に昔から根付く言葉なのだろう。

表に立ち飲みがあるのはもはやドイツではおなじみ。今日は中に入ってみる。意外と鰻の寝床式で細長い店内で奥にはテラスの席、真ん中に立ち飲みゾーン。回りを座りの席が取り囲み、なんだかぽっかり浮かぶ島のようだ。朝イチだったこともあり、お客さんはほぼ皆無。ゆったり朝食を取っているご婦人方を見やりながら、Altbierをいただく。ここのアルトはFüchschen(子ギツネ)という名のアルトで、見た目こそアルトらしくない色合いだが、味はアルトそのもの。こんな立ち飲みがスーパーの向かいにあって朝10時くらいから飲めるのである。アルト一杯1.7ユーロはごくごく平均的。

2008年7月21日月曜日

ドイツ立ち飲み事情考察4

私の住んでいるNord-Rhein Westfalen州では、七月よりドイツ全土に先立って「居酒屋・レストランにおいて、全面禁煙とする。しかし完全に分煙可能な部屋ないし換気装置を用意できる90平方メートル以上の規模の店については例外的に禁煙を認める。その他中小、および分煙不可能か換気装置の十分でない居酒屋では、原則的に禁煙とする」というような旨の条例が施行されています。

ドイツの立ち飲みは基本的にオオバコの店の一角という場合が多いのでいいのだが、それでもこれはタイムリーかつ注目すべきトピックである。では、この条例によってNRW州すべての中小の居酒屋が禁煙になるかと言えば、それは違うのである。

なんと、来店する客にその是非を問うたのである。すなわち、「この店では喫煙にしたい」と経営者が考える場合、Raucherclubという組織に加入し、その旨を店頭に張り紙する。そして来たお客に「この店は他のお客様(もしくはあなた)が喫煙できる店ですがいいですか?」というようなことの記載された、ある種の宣誓書(Raucherclubに加入するのかしないのか)にサインをさせる。このサインを拒否すれば、入店を拒否することになる。つまり、禁煙者を守るように見えながら、実は喫煙者を擁護しているのである。とはいえ、大概のお客はサインをしているが。面倒なのは、これをその都度、居酒屋ごとに行わねばならないことだ。

もちろん、このRaucherclub自体に加入していない店もあり、そこは大抵がタバコを吸わない経営者である場合(女性マスターの場合など)が多い。しかし現状として、ほぼすべての居酒屋の店頭にはRaucherclubの張り紙があり、いったい何のための法令なのかわからない。

また問題点として、こうしたルールは地元の小さなバーなどでは大概無視されることが多く、禁煙を選択した居酒屋はこうした「掟破りの」バーに、そこではタバコが吸えるから、という理由でお客を奪われるのではないかとの懸念がある。行政側による抜き打ちのテストも基本的にないようだ。注目していたニュースだけに、なおさら残念な気持ちが募る。

2008年7月16日水曜日

201 Tschechienland Prag - Branik

正直言って、店の名前に自信はない。チェコ語がまったく読めないからだ。なので、便宜的にひとまず出されているビールの銘柄を店名ということにしておく。え

そもそも、ドイツでの働き口が決まり、その勤務開始日まで時間があったので「思いつきで」プラハにやってきたのだが、今回の滞在では英語の重要性を身にしみて実感した。ドイツ語で大丈夫だろうとタカをくくっていたのだが、実際にドイツ語を使ったのはドイツの空港まで。チェコに入るや否や、英語英語英語、であった。

とはいえ、酒場で必要とされる言語など、もはや指をさしてお金を払うだけで事足りてしまうゆえ、それらについては不自由なく過ごせた。ここもそう。入り口正面に注文カウンターがあり、そこでビールを注文・精算して好きなところへ持って行き、立ち飲むことができる。基本は立ちだが、右手奥には座りもある。たまたまツール・ド・フランスを中継していて、皆でそれを観戦するかたわら、ビールを飲んでいる。つまみも何もないが、ビールはかなり安い。観光客向けの店の3~4倍ほど安いのだ。調子に乗って昼過ぎから2杯ほど飲む。

ここを訪問したのは初日だったのだが、二日目にももう一度立ち寄った。店のおっちゃんが「・・・同じのでいいか?」と聞いてくれたのはちょっと嬉しかった。本当に地元の人が通う店なのだろう。

2008年7月13日日曜日

[祝200軒] Düsseldorf Heinrich-Heine Allee - Et Kabüffke

それは実に長い道のりだったのかもしれない。立ち飲みオンリーで始めて、地道に軒数を伸ばしてようやく、200軒目を合い迎えることができた。去年の10月頃に「100軒到達」だったわけだから、ペースは決して遅くない。というか、去年の12月〜今年の3月で80軒も行ってるんだよな。ドイツに来てからも20軒目という節目である。

お店自体は前から知っており、機会をうかがっていたところだった。お店の外はもちろん、中も基本的にはカウンターの立ち。2階に一応座って飲めるスペース有りだが、立ち飲みの方が圧倒的に混んでいる。女性陣が経営しているためなのか、禁煙!件のRaucherclubの話もなく、ここは本当に禁煙の立ち飲みで嬉しすぎる。

店内は狭く、右手がカウンター、突き当たりに2階への細い階段がある。壁には酒が本当にたくさん並んでいて、イメージとしては御徒町の「松井酒店」にかなり近い。つまみもあまりないようだし、ここも角打ちの定義に当たると思われる。

ここで一番の売りになっているのは、Killepitschという薬草酒で小さなグラスに注がれるのを一気にあおってドイツ人はビールを飲みにいくらしい。私はやはり薬草系は苦手で、チビチビやってしまったが。連れも居たので今日はここまで。ここは、もっと通うべき店だ。

2008年7月5日土曜日

199 Düsseldorf Dreiecke - Em Krön'che

二軒目。この店ではちょっと驚くべき体験をしたのだが、それはまた後日、「ドイツ立ち飲み事情考察4」で述べてみたい。

さて、ここは残念ながら立ち飲みは用意されてない。が、椅子を気にしなければカウンターで立つことに問題はない。なんだか不思議な角度でクネクネしたカウンター。

特定の醸造所の樽生ビールを飲むことのできる店は至る所にあるが、瓶ビールを買うことの出来る店はそう多くなく、Ausschank(複:Ausschänke)と呼ばれる。通常このAusschankは醸造所に併設されていることが多く、大抵が立ち飲みスペースとなっているために私はこれをドイツの角打ちと定義づけた。しかし、時折醸造所から離れているにもかかわらず、通常の居酒屋のかたわらで瓶ビールを買うことの出来る店が存在する。それがこの店のような店で、Brauerei Ausschänkeなどと書いてあることが多い。

銘柄は先ほど言及した三大の一つ、Schmacher Alt。本家で飲んだものよりもグラスが小さく、味も若干甘めになっていたのでこれは私もお気に入りの味。私は、MühlenといいFrankenheimといい、(苦さとともにやってくる)甘さのあるビールが好きなようだ。

ここはつまみも充実していて、近所にいい店発見!と嬉しくなったのだが、ある出来事により残念な結果が待っているのだった・・・

198 Düsseldorf Dreiecke - Brauhaus am Dreiecke


デュッセルドルフに越して来た。そうしてようやく片付けもあらかた終わり、あとは近所の立ち飲み調査のみ!となった。

以前にデュッセルドルフに旅行で来た時に飲んで、忘れられない味となった一本のアルトビール。これがそもそも私をデュッセルドルフへと駆り立てた張本人なのかもしれない。今となっては銘柄を思い出すことは難しいが、おそらく味とラベルの色合いから、Frankenheimではないかと思う。ケルシュにも三大醸造所(Reissdorf, Dom, Gaffel)があるように、アルトにも三大醸造所がある。Frankenheimは残念ながら三大とはいえないのだが、いつか必ず醸造所で生のアルトを飲もうと思う。

さて、こちらの店はそんな三大の一つにして、日本人に絶大な人気を誇るUerigeアルトである。ちなみに他の二つはSchmacherとSchlüssel(かSchlösser)だと思う。Diebelsなんかも大きいけど邪道なんだよね、あそこは。

旧市街にあるUerigeの本店(醸造所)の込み具合といったら無く、もはや名物なほどの人だかりができることで有名だが、それに反してこちらの店はガラガラ。ちょっと心配なくらいである。表のテラススペースはすべて椅子。店に入って、右手奥にわずかに立ち飲みが用意されている。私は迷わず立ち飲み。ちょっと面白いのが、こちらでは普通のテーブル席、立ち飲み、立ち飲みに椅子がついた席、ミニソファーみたいなものに座って地べたで飲む席(写真参照)など、様々あること。立ち飲みのテーブルだけに関して言えば、神保町の「河北屋」に酷似している。

3杯ほど飲んで、次の店へ。やっぱり私にはUerigeは苦すぎる。